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心理的虐待ができたのはなぜ。〜家庭の影響力増と社会性〜

  • Writer: おたるの家 北海道
    おたるの家 北海道
  • Jun 12, 2023
  • 3 min read

Updated: Jul 17, 2023

ファミリーホームに来る子どもたちは「ごく一般的な生活」をしてきた子と比べるとある意味「特殊な」環境で育った子がほとんどです。


ここで何を基準に「当たり前の子ども時代」を指すかは皆さんの個人の考えに委ねますが、私が思うに児童が愛し愛されるような、また児童の個としての権利が尊重された経験または受け入れられてきた経験がある事だと思います。


泣いたら 


「うるさい!!」


「泣くな!!」


と言われたり。


「でも、、」と話し始めたら、


「言い訳するな!!」


ここだけ切り取ると確かに一般家庭でもありそうなことかもしれません。

心理的虐待という分類ができたのも「親からの影響力がさらに強くなっている」ことが一つの理由ではないでしょうか。


核家族化(かくかぞくか...親と子のみで生活し祖父母などそれ以外の親族と共に生活しない事)が始まったのは、第二次世界大戦後(1945年8月14日〜)の高度経済成長後以降(1955年〜)。都市部に人が本格的に働き始め当時の娘・息子世代が両親から離れ子どもを連れて集合住宅に住み始めたことからです。当時子どもだった世代はもう現在の祖父母世代では無いでしょうか。


学歴社会、塾や習い事で家と学校の行き来ばかりが多くなって、日本の子どもたちはその時から徐々に幼少期でいろんな人と関わる機会を失っていきました。豊かな社会性を身につけるには相手に対し柔軟でありつつ自分というブレない存在を認識できていることが重要です。それには幼い頃から「いろんな人がいても良いこと、自分の考えが尊重される環境」が非常に重要です。


核家族化によって、親と子間の関わりが濃厚になり、親が与える影響力がうんと強くなりました。子どもは親の性格、親の生活習慣、親の配偶者・子ども自身・その他周りに対する態度など子どもたちは幼い頃から親の特性を見て感じて経験することになります。核家族の中で子どもは接触が一番濃厚である親の要素を社会でやっていく為の「完全なロールモデル」として吸収するのです。現代の子どもは極端な話、「できる親」と「できない親」の二極化した環境の中で育つことになります。


親が優しかったら、親の社会性が豊かであったら良いと言えば確かにそうかもしれません。でもみんな違って良いのですから、もちろんいろんな個性の人、例えばよく怒るお母さんお父さんがいても良いのです。でも現代の家庭は家族以外との接触がほとんど無いような家庭がほとんどで、子どもは対人能力の向上を図る機会を失っていると思います。その状況下で親が子に対して感情的になれば、子どもはイライラしたら人に相手のことを考えずに怒っても良いと学びます(正確にはその特性を受け継ぐ=世代連鎖)。感情のコントロールができない子は親にされたことを自分の子にもしてしまいます。そうして核家族の負の要素が強まるとその悪循環から逃れるのが難しくなります。


おたるの家では「特殊な環境で育った子ども」に対する理解を深め、少しずつ児童が自身の世界を広げられるよう支援に努めていきたいです。いろんな人がいて良いこと、いろんな意見があって良いこと、自分が尊重されることが当たり前だということを学び他者にも優しくできる存在であって欲しいです。









 
 
 

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